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ハウリングマウンテン

ハウリ~1
【フロンティア】

 「シルバースプリング協会からの派遣の方ですよね?」
 そう呼びかけられて、はっと我に返る。
 さきほどの光景は、夢か現か。

 話しかけてきたのは、シルバースプリング協会のマイヤという女性だ。
 わざわざ私を出迎えに来てくれたらしい。

 彼女は村へ向かう道中、重要なことを教えてくれた。

 いわく、
  この大陸の名前はエンジェルミストランド。
  古代、世界の中心として栄えていたが、「天の戒め」により文明が消滅、
  地形も変わり、今では「呪われた大陸」と呼ばれていること。
 いわく、
  「セージアイズ」は、この大陸に「冒険者」を送り込み、開拓を進めていること。


 セージアイズが送り込んだ冒険者の多くは、このシルバースプリングの地にたどり着く。
 彼女は私のことも、セージアイズが派遣した冒険者だと思い込んでいるようだ。
 私は彼女の話に従い、「フロンティア村」の開拓を支援することにした。

 フロンティアの村に到着する頃には夜だった。
 数軒の家々から、柔らかい暖炉の光が漏れている。

 家屋の数から察するに、住人は10名強程度。
 村の周りには申し訳程度に簡素な木の塀があるばかり。
 村、というよりは、開拓拠点 と表現した方が正確だろう。

 反面、周囲には人型で歩くキノコはいるものの、凶悪な動物はおらず、
 鉱山があり、植物・木材などの資源にも恵まれている。
 開拓のためにこの地に来た冒険者達が、この世界での生活の途を得るための
 「訓練」をするには、最適な場所でもある。
 ただし、キノコの胞子アレルギー持ちの人間には多少厳しい環境であろう。

 私は開拓部隊のレイトン隊長のもと、
 (そしてレイトン隊長は重度のキノコアレルギーであるが)
 装備を支給され、戦闘訓練を積み、薬草の見分け方、薬の作り方、
 鉱物の採掘、木材の加工 等々、
 開拓に必要な技術を習得した。

 フロンティアの鉱山労働者に聞くところ、冒険者から鉱山労働者に
 転向した者もいるらしい。
 冒険者といっても、すべての者が戦闘に長けているわけでは当然になく、
 よって、このフロンティアの町では、狩猟以外の生活手段を教えている。

 しかし、フロンティアの開拓部隊の中には、狩猟ができず、
 落ちているオオカミの毛を拾って防寒具を作成している者が居た。
 一般的な村人達の腕を見ていると、狩猟で生計を立てる方が容易い。

 ところで、村民から重要なことを聞いた。

 1つは「ルーン」の存在である。
 ルーン研究者によれば「ルーンはこの世界を構成するエレメントと言って良い。
 意思場のルーンは、集約体の一種で、パワーも様々なものがあり・・略」
 話が長かったので途中から覚えていないが、
 この世界には、ルーン と呼ばれるものがあり、様々な力を貸してくれるだけでなく、
 物資の製造にも利用できるとのこと。

 2つめは「魔法」の存在である。
 魔法が使えなくなったら、青い薬を飲む。 と教えられた。
 私は魔法というのは使えないが。

 フロンティアの住民は、みな開拓を生業としていたが、
 伐採職人の「ウダ」は歌が好きな面白い男だった。
 近隣の薬剤師からは、神様が望みを叶えてくれるなら、
 ウダが永遠に歌を歌えなくなるように」とまで言われ、
 さらに、一時的に歌えなくなる薬を盛られていたが、
 喉の保護と勘違いし、随分と感謝していた。ポジティブな男である。

 彼の願いが叶うことを祈りつつ、
 一定の開拓民としての訓練を終えた私は、レイトン隊長からお墨付きを貰い、
 次なる町「ログシャイヤ」への向かうこととなった。
 

 
 途中、フロンティアの村人から紹介された「マッシュファーム」なる
 洞穴に立ち寄ることとした。
 
 そこは動くキノコ達の楽園だった。
 ファームの中心部には、天高くまでそびえたつ巨大なキノコが生えており、
 根本からは動くキノコ達の幼生が息づいている。
 うち、1匹を従えることとした。
 特に何か役に立つわけではない。
 ただ、つぶらな瞳でひょこひょこと歩く姿はひどく和む。



 ほどなくログシャイアの町に到着する。
 この町は、丘を抜いた、いわゆる切り通しに作られている。
 町の南側は強固な木戸が作られ、門には護衛の兵士が立っており、
 外的の進入に備えている。

 が、一旦門をくぐれば、町の中では、乳牛や鶏などの家畜が飼育されており、
 犬と小さな子どもが走り回っている。
 賑やかな音楽が聞こえ、どこからか料理の香りが漂ってくる。
 非常に牧歌的で、それでいて活気のある町だ。

先のフロンティアは、材料収集の拠点であったが、
 対してこちらのログシャイアは、材料を加工の拠点として栄えているようだ。


 レイトン隊長からの物資を運んできた私を、
 フロンティア町長のジョージは、とても暖かく迎えてくれた。

 ここフロンティアはシルバースプリング最大の町だが、
 その規模ゆえに、多くの問題を抱えている。
 しかし、町長は現在、「クーパ族」の問題で手一杯であるため、
 町民の悩みの解決の手助けをして欲しい。 とのことだった。

 私が協力を約束すると、町長は私の部屋を手配してくれた。
 水道も家具も何もない質素なものだが、外敵を気にせず、雨露をしのげる所を
 提供してくれたのは本当にありがたい。

 シルバースプリングでは、人口増加に開拓が追いついていないようで、
 慢性的に人手が不足しているように見える。
 部屋の手配もまた、開拓民支援の大きな柱なのだろう。

 私はしばらくの間、ここで町民の求めに応じ、各種任務をこなすこととなるが、
 今日までに得られたいくつかの情報を記しておく。





 ○クーパ族について
  フロンティアの町を悩ますクーパ族とは、子どもの背丈ほどの子鬼のような
  生物である。
  子鬼といっても、彼らは徒党を組み、武装をし、洞窟で共同生活をし、
  食料を箱にいれて保存するなど、知能が高い。
  実際には、家畜や物資を奪われるなどの被害が出ている。

 ○セージアイズの「殲滅魔法」について
  フロンティアの老婆の話によれば、
  今から10年前、ファラナスキャッスル(王の命令という意味だと思われるが)
  は開拓のため、冒険者を集めたらしい。

  当時のフロンティアでは、ヒューマノイド(近隣の怪物?)が
  ケルンヒル(近隣の洞穴の名前)で夜な夜な怪しい儀式を行い、
  彼らのあげる雄叫びが、ハウリングマウンテンというこの地名の由来となっている。
  非常に物騒な地域だったようだ。
  そんな中、セージアイズは、殲滅魔法でモンスターを一掃。
  少なくとも10年は平和であった。

  セージアイズ所属の魔法学者によると、クーパ族の内部構造に変化があり、
 「クーパ族の気配は小動物などと同程度まで少なくなったため、
  殲滅魔法」の対象とならなかった。 とのことだ。

 ○英雄ログの伝説
  町の名前にもなっている英雄ログは、実はログシャイア村の村長ジョージの兄である。
  そして、村長の息子ディオンは、本人は知らないが、英雄ログの息子である。
  今から12年前、セージアイズが殲滅魔法を使ってモンスターを一掃しようとした際、
  その魔法に対抗してきたモンスターが、ピアラノロークである。
 
  ピアラロークは蜘蛛のモンスターで、その硬い表皮に魔法はすべて跳ね返された。
  苦戦を強いられたセージアイズ達は、これに対抗すべく魔法の矛(ハルバード)を作る。
  矛を使い慣れていないセージアイズに代わり、英雄ログはこれを用い、
  死闘の末、ピアラロークと魔力を封印することに成功する。本人の命と引き換えに。

  そんなことを知らないディオンは、英雄ログにあこがれる余り、
  魔法の矛を引き抜いて、持ち帰ってしまい、あふれ出た魔力が
  周辺に影響を与えてしまい、セージアイズはまた封印を施す羽目になるが、
  その最中、ログの遺骨を見つけることができ、弟ジョージに引き渡すことが出来た。

 ○ローラの宝探し
  最初は子どもの遊びに付き合うと思っていた。
  が、ローラが指定してくる宝は、すべて洞窟の奥深く。
  とても子どもが行ける場所ではない。
  また、不思議と開拓者や村人たちが、問題を抱えている場所を絶妙に指定してくる。
  おかしい。
  疑問が確信に代わったのは、水龍カドノスを鎮めたことだ。
  水龍を親しく「じいさん」と呼ぶことや、事情にあまりに詳しすぎる。
  普通の子どもではない。

  と思ったら、セージアイズ議長「マルサス」の孫であるという。
  冒険者の中で有望な人材を、独自の基準で議長に推薦しているとのことだった。

  だが、しかし、議長マルサスは43歳。
  相当早くに子どもができたのだろうか・・・。 疑問はつきない。
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category: 2.ハウリングマウンテン

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